米
マイクロソフトは2013年6月3日(米国時間)、米
ニューオーリンズで開幕した開発者向けイベント「
TechEd North America 2013」のキーノートにおいて、
Windows 8の改良版である「
Windows 8.1」(
開発コード名は「
Windows Blue」)の新機能を説明した。同社の公式ブログでは、5月30日に
Windows 8.1の概要に触れているが、公の場で実際のデモを行ったのは初めて。注目の“スタートボタン”の存在も、デモの中で確認できた(図1)。
図1
Windows 8.1のデスクトップ画面には、
Windowsロゴマークの「スタートティップ」が用意される。これをクリックすると、スタート画面に戻る(米
マイクロソフトが公開する「
TechEd North America 2013」のキーノート映像より)
Windows 8.1は、同社が2013年後半に公開予定の
Windows 8の改良版。
Windows 8に対する無料のアップデートという形で提供する。これについては以前から「スタートボタン」が復活するのではないかという憶測があったが、同社は5月30日、公式ブログで「スタートティップ(tip)」と呼ぶ「マウスとキーボードを使って操作するユーザーのため」の改良を施したことを明らかにしている(
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ただし、このスタートティップは、Windows 8のスタート画面に戻るためのボタンであり、Windows 7以前のスタートボタンのように、「スタートメニュー」を開くためのボタンではないようだ。既に現在のWindows 8においても、画面の左下隅にマウスポインターを移動すると、スタート画面のサムネイルが表示され、これをクリックすることでスタート画面に戻ることができる(図2)。同社のこれまでの説明を読み解くと、これがスタートティップであり、それを「お馴染みのWindowsロゴマークに変更した」のがWindows 8.1での改良だという。
図2 現行の
Windows 8では、
マウスポインターを画面の左下隅に移動させると、スタート画面のサムネイルが表示される。これをクリックするとスタート画面に戻る
もちろん、サムネイルが
Windowsロゴに変わったこと以上の改良点もある。一つは、デスクトップ画面では、タスクバーの左端に常にスタートティップが表示されていること(図3)。つまりスタートボタンの代わりのボタンとして配置される。これまでは、
マウスポインターを画面の右上隅から下へと移動させることで「チャーム」バーを表示させ、その真ん中にある「スタート」チャームを選ぶ、という回りくどい操作を使ってスタート画面に戻っていたユーザーもいるだろう。それに対して
Windows 8.1では、スタート画面に戻るボタンが明示的に存在するので、より分かりやすく簡単になる。
図3
Windows 8.1のデスクトップ画面。
TechEd North Americaのデモに使用されたのは、「
Windows 8.1 Enterprise
Preview」で、ビルド9415と書かれている(キーノート映像より)
また、スタート画面についても、タイルの並んだスタート画面ではなく、「アプリビュー」と呼ぶアプリの一覧画面に変えることができるという。そのように設定しておけば、左下隅にある“スタートボタン”(スタートティップ)をクリックするとアプリの一覧が表示されるという意味で、従来の
Windowsと近い操作感になる。
スタートメニューの復活とまではいかないが、それに準じるユーザーインターフェースを追加して、ユーザーの不満解消を狙う“折衷案”といえそうだ。
このほかWindows 8.1では、スタート画面の背景をデスクトップ画面の背景と共通化できること、スタート画面のタイルを従来に比べ4分の1に小型化できること――などのカスタマイズ機能が搭載される(図4)。
図4
Windows 8.1のスタート画面。背景をデスクトップ画面の背景と統一できるほか、タイルのサイズをさらに小型化できるようになる(公式ブログより)
同社は6月26日に
Windows 8.1のプレビュー版を公開する予定。同日から始まる開発者向けイベント「Build 2013」で、より詳細な情報を公表する。