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「Internet Explorer 11」(IE 11)を使ってみた

Windows 8.1は、現バージョンのWindows 8と比べてもかなり多くの細かい変更が加えられている。その中でMicrosoftが新機能として満を持して存在をアピールする1つが「Internet Explorer 11」(以下、IE 11)だ。

IE 11は、これまでのIE 10と比べて劇的な変更が加えられたというわけではないが、ユーザーインタフェイス(UI)関連で行われたいくつかの変更がその使い勝手を大幅に向上させている。


 IE 11における一般ユーザー向けのメリットの多くは、主にWindows 8.1で追加された新機能の恩恵によるものだ。例えば従来のModern UI版IEは、原則としてフルスクリーン表示のみで2つのページを同時に1画面内に開くことができなかったため、表示内容を比較しながらの作業には向いていなかった。ただ、前回紹介したWindows 8.1新機能の1つ「Modern UIでもウィンドウサイズ可変が可能に」──により複数のIEウィンドウを分割して同時に表示することも簡単になったので、デスクトップUI版のIEを利用するケースもかなり減りそうだ。また、どうも煩雑だったタブ切り替えもシンプルになり、数十単位と、かなり多くのタブを同時に開いてもパフォーマンスが低下せず、さらに画面スクロールで複数のサムネイルから目的のページを容易に選択できるようになっている。

 BingやSkyDriveといったオンラインサービスとの連携性がより密になった点も大きい。例えば、IE 11のアドレスバーは「Bing検索」と「URL」の2つの入力を兼ねているが、「サジェスト機能」により入力途中の文字列をもとBing検索の結果の一部が表示され、入力文字が追加されるごとにその推測単語を高速で切り替えて表示していく動きが加わっている。

 また、「タブ」や新たに追加された「Reading List」という新機能では、SkyDriveを経由して同一アカウントの他デバイス間でも内容が同期され、別のデバイスを開いてもそのまま作業を続行できるようにもなった。考えられる使い方としては、PCでニュースやBlogなどを「Reading List」でWebクリッピングし、外出した際にスマートフォンや別のPCでクリッピングしておいた記事を読むといった例が考えられる。

 Microsoftによれば全体にタッチ操作時の精度も向上しており、タブレットでのWebアクセスがさらに使いやすくなっているという。ドラッグ&ドロップや“マウスオーバー”といった、マウスでなら容易だが、タッチ操作では少し難しいアクションがある。特にマウスオーバーは「特定の場所へマウスカーソルを(クリックなしで)重ねる」というものなので、タッチ操作では重ねるだけなのか、タップなのかを判断しにくかったが、IE 11は下の写真の通り、浮かせて止める──的な動きで本来マウスオーバーでしか表示されない情報もタッチ操作でリスト表示されていることが確認できる。

 このほか新機能として「スタート画面でのタイル登録」がある。いわゆるスタート画面への「ブックマーク登録」のような機能だが、これまでと大きく異なるのが、Webサイト自身が「タイルとして登録する画像」をサイト制作者が指定できるようになり、さらに「Notifications(タイル画面へのポップアップ通知機能のようなもの)」を設定できる点だ。

 このNotifications機能を生かすにはある程度のプログラミング作業が必要だが、これを活用することでWindows ストアアプリで表示される「ライブタイル」と同等のことを実現できるようになる。こちらは、ユーザー利便性を向上させ、かつ自社サイトへ誘導させやすくなる手段の1つになるのではないかと思われる。

●パフォーマンスと省電力性も推進

 Web技術の標準化が進んだことで、Webアプリケーション実行プラットフォームとしてのWebブラウザは横並びで評価されることが増え、パフォーマンスや使いやすさといった面でユーザーに評価され、好みのプログラムが選ばれるようになった。近年は「Windows標準搭載」という面でのプレゼンスしか持たなかったIEだが、MicrosoftではIE 11について「IEを搭載していることこそがWindowsの強み」と強調してはばからないほど自身を持っているようだ。

 同社によれば、IE 11が他のブラウザに対して優位としているのが「パフォーマンス」と「省電力性」だ。

 特に後者については、IE上でアニメーションや多少複雑なアプリケーションが動作していたとしても、CPU使用率はほとんど上昇せず、極めてモバイル環境でのバッテリー動作時間に優しいつくりとしている。それを実現する仕掛けの1つは、処理の一部をGPUなど専用ハードウェアに割り振っている点で、これが実行効率を向上させている。Preview版でも全体的に軽快なパフォーマンスで、ページのスクロールや拡大縮小を行ってもスムーズに動作するのが好印象。2リンク先のページを先読みしてあらかじめレンダリング処理をしておくことで、スワイプ動作でページを切り替えても画面の書き換え処理が発生せず、ぱっと目的のページが表示される。また参考ではあるが、SunSpider(JavaScriptベンチマークテスト)のベンチマーク結果も紹介されていたので上記写真を参照してほしい。

 ひと昔前まで、“Web標準への対応”がIEの至上命題の1つだった。MicrosoftのWeb開発者カンファレンスであるMIXでは、毎回こうしたIEの標準対応や過去の資産との互換性問題についてのデモストレーションと議論が行われていた。だが、近年はこうしたトレンドもひと段落し、現在では前述したパフォーマンスや省電力性でライバルブラウザと直接渡り合う段階に達している。

 一方でWeb標準への取り込みも引き続き進んでおり、今回のIE 11は「WebGL」もサポートされた。WebGLWebブラウザ上での3Dレンダリングを可能にする標準仕様もので、ほかの主要Webブラウザではすでにサポート済み。Microsoftは単にWebGLサポートするだけでなく、より高速処理が可能という点をアピールすることで、IE利用のメリットを訴求する。

 また、新たなストリーミング配信規格・技術「MPEG-DASH」(Dynamic Adaptive Streaming over HTTP)にも対応し、プラグインなしでWebブラウザで同規格を用いたストリーミング動画表示を可能としている。デモンストレーションでは、Netflixの動画配信サービスをIE 11上で閲覧できる様子が紹介された。