激安ソフト情報局

イラレ・フォトショ・Office2021を激安価格で購入した情報サイト

Windows 8.1の「3Dプリンタ対応」って、どういうこと?

2013年6月末、サンフランシスコで開催されたMicrosoftの開発者会議「BUILD 2013」カンファレンスにおいて、MicrosoftWindows 8.1における特徴の1つとして「3Dプリンタ」のサポートを大々的にうたった。



 基調講演ではWindows 8.13Dプリンタで「花瓶(のようなもの)」を製作する様子がデモストレーションで示され、とても大きく扱われていたことが印象的だった。今回はこれを含めたWindows 8.1におけるデバイスサポートについて少し考察しよう。

 さて、唐突に3Dプリンタのサポートといってもピンとこない部分はあるかもしれないが、Windows 8.1では3Dデータの標準ファイル形式(STLなど)やプリンタドライバを標準でサポートしつつ、OS標準ドライバで「3Dプリンタへの出力を可能」にしたのが今回のポイントだ。ユーザーの使い勝手はさることながら、アプリ開発者らが3Dプリンタを利用することが容易になる点──が特徴といえる。

 ここ最近、特に米国での3Dプリンタに対する過熱ぶりは異常といえるほど。中でもMicrosoftはその取り組みに熱心な企業の1つだと感じている。同社は全米で展開する実店舗 Microsoft Storeの一部でMakerBot3DプリンタReplicator 2」の動作デモを実施しており、来場者に対して3Dプリンタで作成したキーホルダーやおもちゃを無料配布したりしている。GigaOMなどの報道によれば、同ストアではすでにReplicator 2の販売も行っており、MakerBotの代理店としても機能しているようだ。

 もっとも、Replicator 2のサービスバンドル付きのオンライン販売価格は2500USドル(日本円換算 約24万6500円 2013年9月2日時点)以上となるので一般ユーザーの多くが簡単に入手できるものではないが、2013年秋にはより低価格な3Dプリンタの取り扱いも開始するという話も出ている。2013年10月のWindows 8.1正式版配布開始と合わせ、こちらも大きな話題になりそうだ。3Dプリンタに興味があり、実際に米国で店頭デモの様子を見たいという人は、MakerBotが公開するデモ実施店舗リストの店舗に訪れてみてほしい。

Windows 8.1で強化されたデバイスサポート

 Windows 8.1(8も含む)におけるデバイスサポートは基本的にWindows 7時代のものを引き継いでおり、多くの機器は基本的にはそのまま利用できる。一方で、Windows 8リリースのタイミングで導入された「v4 Printer Driver」の課題もある。こちらはプリンタ設定や管理画面の省力化、Modern UIでの印刷サポートのために実装されたものだが、標準搭載のドライバでの対応機種に限界があるという問題が報告されている。これは特にWindows RT環境で顕著だ。Windows RTではドライバの手動追加導入ができないため、独自のプリンタ言語のみをサポートする一部の機種は基本的に利用できない。こちら、Windows 8/8.1マシンをプリントサーバにして──など回避方法はあるにはあるが、この制限はWindows 8.1でもそのままと思われる。

 続いて、Windows 8で導入された便利な機構の1つに「Launch on Connect」がある。これはDVDやUSBメモリなどでよくある“autorun”機能に似ており、機器に設定項目をあらかじめ記述しておくことで、接続後の動作を半ば指定できるというものだ。

 Windows 8.1は、アプリのバックグラウンド動作にも対応したのがポイントと思う。例えばデジタルカメラをPCに接続すると、自動的に撮影データのバックグラウンド同期を行う(最大10分間)といった制御がとても容易に行えるようになる。こちら、以前解説したバックグラウンド動作のための「トリガー」と連動して動作するわけだ。


 この機能、一応は個人情報へのアクセス含め、こうしたバックグラウンド動作が発生する場合はあらかじめユーザー側の許可を求めるダイアログが出現するようになっている。周辺機器が勝手に接続・連動してユーザーが意図しない動作をしないよう、一定のセキュリティが保たれている動きも確認した。

Windows 8.1で追加された「Device protocol API」とは

 もう1つ、Windows 8.1は「Device protocol API」という新しい仕組みが追加された。

 プリンタなど、Windowsが既知の機器として認識しつつ専用のプログラミング用インタフェースを用意しているものを「Device scenario API」と呼ぶ。前述した3Dプリンタをはじめ、指紋認証/生体認証インタフェース、POS向けのカード/バーコードリーダー、スキャナなどはこの範ちゅう含まれる。対して、USB、Bluetooth(RFCOMM)、Bluetooth Smart、HID、Wi-Fi Directなど標準インタフェースを使って接続される機器を制御するAPIが「Device protocol API」となる。

 Device protocol APIの最大の特徴は「専用のカスタムドライバを必要としない」点で、これら通信規格の標準インタフェースのみを使ってデータや制御信号のやり取りが行える。このため、各種認証が必要となるドライバを別途用意しなくても連携する周辺機器や関連ソフトウェア/アプリケーションの開発が容易になるメリットがある。

 BUILD 2013のデモではPCで制御するミサイルランチャー的な玩具が例に挙げられていたが、このほか、個別開発者の独自機器など、さまざまな機器をより簡単に接続・制御できる仕組みが提供されるようになるのが期待できる部分である。