米国MicrosoftはWindows 8のリテール版で、従来のWindowsでは30日間設けられていたアクティベーションの猶予期間を廃止し、セットアップ時にユーザーにプロダクト・キーの入力を義務づけている。
これまで猶予期間は、Windowsを購入前に評価したり、新しくフォーマットされたHDDにアップグレード・ライセンスを使ってWindowsをインストールして最大100ドルを節約したり、物理パーティションや仮想マシンを作成して迅速にテストを行ったりするために利用されてきた。
しかし、Windows 8では、アクティベーションの扱い方が異なるため、猶予期間が廃止されている。
いくつかのブログで指摘されているように、Windows 8のセットアップを進めるには、一意のプロダクト・キー(25ケタの英数字)を入力する必要がある。入力しないと、セットアップ・プロセスは止まってしまう。Consumer PreviewとRelease Previewでもこの方式が採用されているが、これらの試用版ではすべてのユーザーにプロダクト・キーが提供されている。
Windows 8をインストールすると、マシンがインターネットに接続されている場合、自動的にMicrosoftサーバに接続され、キーが有効かどうかの検証が行われ、同OSがアクティベートされる。
Microsoftが、キーは偽造されたもの、あるいは盗まれたものと判定すると、デスクトップの背景が黒くなり、OSが正規品ではないことをユーザーに知らせるメッセージが画面に表示され、PCが1時間ごとにシャットダウンされる。
PCの新製品では、工場段階でWindowsのアクティベーションが行われるため、プロダクト・キー入力によるアクティベーションを行うのは、従来のWindowsからWindows 8にアップグレードするユーザーか、“システム・ビルダー”を使って新しいカスタム・マシンにWindows 8をインストールするユーザーだ。
Microsoftがセットアップ時にプロダクト・キーを要求するのは、Windows 8とWindows 8 Proの両エディションが同じ.iso(ディスク・イメージ)ファイルに含まれるからだ。ユーザーが入力するキーによって、インストールされるエディションが指定されることになる。
なお、Windows 8 Enterprise(ボリューム・ライセンス契約を結んでいる企業向けのエディション)では、キー管理サービス(KMS)やマルチライセンス認証キー(MAK)を利用してアクティベーションが行われる。
Windows 8でアクティベーション方法が変更された理由をMicrosoftに問い合わせたが、広報担当者は8月20日、「提供する情報はない」と電子メールで回答した。