集計表や顧客リストをエクセル 2007 で管理する際には、ひたすらデータを入力することになるでしょう。そんなときに知っておくと便利な「入力ワザ」を 5 つピックアップ! あっという間に「入力達人」になれること間違いなしです!
初期設定では、データを入力して Enter キーを押すと、カーソルは下に進みます。つまり、下方向にどんどんデータを入力しやすいようになっているのです。ところが、大きな表にデータを入力する際には、横 (右) 方向に次のデータを入力していきたいことがあるでしょう。そんなときには、データ入力後に Enter キーではなく、Tab キーを押すとカーソルが右に進んで便利です。
データ入力後に Enter キーを押すと、カーソルは下に進みます。ところが、入力後に Tabキーを押すとカーソルが右に進みます。
ポイント
標準状態の移動方向を決める
Enter キーを押した後にカーソルを動かす方向をユーザー指定で決定することもできます。常に右方向に進めた方が便利な方は、ここで設定しておきましょう。
[Office ボタン] をクリックし、[Excel のオプション] をクリックします。
ダイアログが開いたら、左ペインで [詳細設定] をクリックし、[編集設定] の [Enter キーを押した後にセルを移動する方向] で 4 方向から好みの進み方を選びます (この際に、[Enter キーを押した後にセルを移動する]にチェックが入っていることをご確認ください)。
例えばこの表では、1 月のデータを上から入力していったら、次は 2 月の 1 段目を入力することでしょう。しかし、普通に作業するとカーソルは入力の必要がない下に進んでしまいます。こんな時にはあらかじめ表の範囲を指定しておくだけで「1 月の終端」の次に「2 月の先頭」へとカーソルが移動するのです!
普通に作業していると、入力後に Enter キーを押すとカーソルは下に進みます。
あらかじめ入力範囲を指定しておくと、表の下端の次に右上のセルへとカーソルが自動でジャンプ! 矢印キーやマウスを使わずにどんどん入力できます。この作業をする際には、矢印キーを使うと範囲指定がクリアになりますから気をつけてください。
Ctrl + スペースを押すとカーソルのある列、Shift + スペースでカーソルのある行が選択できます。その状態で入力していくと、カーソルは選択した方向に常に移動します。連続してデータを入力する際には、抜群にスピードアップできます。
Shift + スペースでカーソルのある行が選択できました。カーソルの移動方向が下になっていても横方向に入力できます。同じように Ctrl + スペースでは列を選択できます。
入力を終えたあと、よくする作業として書式設定があります。ここで、Ctrl + 1 キーを押すと [セルの書式設定] ダイアログが開きます。右クリックよりも早く希望の書式に設定できます。
ポイント
まずは、入力作業をした後に表の整形を行うことをお勧めします。全体感が見れたなかでのバランスをとれた書式設定ができます。
入力作業を終え、Ctrl + 1 を押すと [セルの書式設定] ダイアログが開き、素早く書式設定ができます。
この表のように、所々に空白のセルがあって穴を埋めるように入力するのは、セルの選択やカーソルの移動だけでも大変に面倒です。そこで、自動的に空白セルだけを選択した状態にしておき、次々に入力できるテクを身につけておくのがおすすめです。
空白が所々にある表です。空白のデータを穴埋めのように入力します。
表のデータを入力する範囲をドラッグで選択しておき、Ctrl + G を押します。[ジャンプ] ダイアログが開くので [セル選択] をクリックします。
[選択オプション] ダイアログで [空白セル] にチェックを付けます。
空白のセルだけが選択された状態になりました。この状態でデータを入力して、Enter を押すと、カーソルが次の空白セルへとジャンプしていきます。
データの入力ワザの次はシートを使いこなしてみましょう。面倒なシートの複製などが素早くできます。
複数のシートを利用している際に役立つ機能を 2 つ紹介します。特にシートを移動するショートカットは便利なことこの上ありません。また、シートの複製は前の月のデータを使い回すようなときには超手抜きができます。
シートを移動するには、Ctrl + Page Up を押すと、いま選択しているタブの左側にあるシート、Ctrl + Page Down で右側のシートを選択できます。
シートを丸ごと複製すると便利です。先月作成した集計表を今月も利用するなど、表を丸ごと使い回したいときに役立つ機能です。シートのタブを右クリックしても良いのですが、Ctrl キーを押しながらタブをドラッグするだけで、複製できます。この方法なら、あっという間に複製できます。
シートを複製するには、Ctrl キーを押しながらタブをドラッグするだけです。
シートが増えても楽々作業ができるようになりました。次は、オートフィルを使いこなして、連続しているデータを簡単に入力する方法を説明します。
オートフィルを使うと、日付や連番などが簡単に入力できます。例えば、1 ヶ月分の日付を入力するだけでも、手作業では大変な負担です。オートフィルを使いこなすと、圧倒的に時間が節約できるのです。
1 週間の曜日や 1 ヶ月の日付で表の見出しを作る際には、まず 1 日目を入力します。あとは、ドラッグするだけで希望の見出しが完成します。
最初に連続するデータの 1 つめを入力し、セルの右下を見出しに必要なセルまでドラッグします。
連続するデータが自動的に入力できました。
ほかに、曜日でも同じように入力できます。
日付などは自動的に連続したデータになります。ところが数字の連番を入力するときには、最初の数字をドラッグすると単なるコピーになってしまいます。そんなときには、コピー後に [オートフィル オプション] で連番にすることができます。
1 から連番を入力しようと考えて、最初に 1 を入力してドラッグしました。ところがコピーになってしまいます。こんな時には、[オートフィル オプション] のプルダウン ボタンをクリックして [連番] を選びます。
連番が入力できました。
住所録や名簿では、人の名前を入力するときには、漢字を入力しますから IME をオンにします。ところが、数字だけを入力する郵便番号では IME はオフの方が便利です。このような時には、[入力規則] を利用すると、IME のオン・オフなどを自動で切り替えられます。大きな表ほど、設定しておく価値ありです!
ここでは、氏名のセルで IME をオンにする設定を進めていきます。
(3-1) IME をコントロールしたいセルを選択します。
(3-2) [データ] 窶錀 [データ ツール] 窶錀 [データの入力規則] 窶錀 [データの入力規則] をクリックします。
[データの入力規則] ダイアログが開きます。
(3-3) [日本語入力] タブをクリックします。
(3-4) [日本語入力] のプルダウンで [オン] を選びます。
これで、入力の際、自動的に IME がオンになります。
入力規則で日本語入力をオフにした出席番号のセルでは、IME がオフになり、氏名のセルではオンになっていることがわかります。いちいち切り替える手間が省略できるのです。