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Windows8.2? Windows9? 開発コードネーム「Threshold」

2015年春に登場する「Threshold」とは

Foley氏の記事「Microsoft codename 'Threshold': The next major Windows wave takes shape」によれば、次期Windows OSは2015年春のリリースを目標に開発が進んでいる。コードネームは「Threshold (スレッショルド)」だ。"しきい値"と訳すのが一般的だが、同社のFPSゲーム「Halo」に登場する惑星の名前が由来だという。


その理由としてFoley氏は、AppleのSiriに対抗するためにMicrosoftが現在開発中のパーソナルアシスタントシステムのコード名「Cortana (コルタナ)」の存在をあげている。CortanaはHaloシリーズに登場する人工知能であり、ゲーム中ではナビゲーターとして常に登場しているからだ (図03)。

図03 Halo 4 Creditsに登場するAI「Cortana」

筆者自身は、Thresholdという単語が併せ持つ、"(物事の) 出発点"という意味も含めているのではないかと推察している。次期Windows OSはWindows 8/Windows 8.1とは異なるコンセプトで開発に取り組むという、Microsoftの意思表明と取れるのではないだろうか。


「Threshold」について伝えたのは、マイクロソフトのインサイダー情報といえばこの人の Mary Jo Foley 氏。マイクロソフトのOS部門責任者 Terry Myerson 氏による社内向けメールのなかで、次期Windows10+ 件 の開発名としてこの Threshold が使われたことを、複数の情報提供者に確認できたとしています。

Terry Myerson 氏といえば、マイクロソフト先日実施した大規模な組織改編で Operating Systems Engineering Group 担当のエグゼクティブバイスプレジデントに就任した人物。新設のOSエンジニアリンググループは PC の Windows / RT だけでなく、携帯向けの Windows Phone や、Xbox One も含めた全製品のOSを開発する部門です。

コードネーム「Threshold」の中身については、今の時点で具体的な話はありません。しかしThreshold10+ 件 は単一のWindows リリース(たとえば Windows 9)といったものを指すのではなく、WindowsWindows Phone、Xbox One や主要なサービスまでを含む一連のアップデートを示すと考えられています。コードネーム " Blue " も、Windows 8.1 ( " Windows Blue " )だけでなく、Windows Phone やクラウドサービスでのアップデートを含む内容でした。


リリースの時期は、Threshold の名が出てくる前からのうわさでは2015年春が目標。現在のWindows 8.1向けには2014年にもうひとつ小規模なアップデートがあり、さらにその次が、これまでの表現でいえば Windows 7 から 8のような「メジャー」アップデートになると考えられています。が、Windows のリリースはかつてマイクロソフトが積極的にロードマップを公言していた時期でもずれたり遅れたりすることがたびたびあり、最近では8 から 8.1 のように、リリースサイクルの考え方も変わりつつあります。


Threshold10+ 件 に向けた流れの話でいえば、マイクロソフトWindows Phone とWindows 8Xbox で共通のタイルUIを導入したことに加えて、内部的にもNTカーネルで揃え、開発者に対してはひとつのコードを最小の手間でマルチデバイス / マルチプラットフォームのサービスとして展開できる環境を整備するなど、OSとデバイス間の統合・統一を着々と進めています。

Threshold の世代になるかはさておき、Windows ならば PCで使っているアプリやサービスが携帯でもテレビ (Xbox One)でも、各デバイスに最適なかたちでシームレスに使えて当たり前、という世界を目指すことは、バルマーCEOをはじめ幹部もたびたび言及する既定路線といえます。


なおコードネームの Thresholdは家の「敷居」や抽象的な「閾」、境界などを示す言葉。理想のWindows 世界が実現する臨界点的な意味もありそうですが、マイクロソフト的には、人気ゲームシリーズ Halo に登場した架空の巨大ガス惑星の名前でもあります。

(先史銀河文明が残した謎の環状人工天体 Halo ( Installation 04 = 人類にとってはファーストヘイロー、管理AIギルティスパークさん) は、惑星 Threshold10+ 件 と衛星のあいだのラグランジュ点で建造されたという設定。覚えなくても試験には出ません)。